運命の日

昨日、きよっちのお見舞いに行ってから相方の実家に行くと
相方の体に変化が訪れていた。
朝から所謂前駆陣痛というのが始まっているらしい。
おいらが実家に着いたのが夕方。
連絡してくれたらもっと早く来れたのに!!
って、居ても何も出来ないか。。。

以下は個人的な記録。
長文&超私的文書なので無視してください。

到着時点で1時間おきぐらいに大きな痛みが相方を襲ってるらしかった。
その後、みるみる間隔が短くなって行き、
その度に全力で腰の辺りをマッサージするおいら。
およそ20分間隔になった所で病院に連絡してみたが、
安定して10分間隔になったら来てくださいとのこと。
その後、普通に夕飯を食べ、しばし様子見。
が、端から見ると明らかに10分間隔より短いのに、
相方は「まだきっちり10分間隔じゃないから」と
病院に行こうとしない。うむむ。。。

で、とりあえず先に風呂に入るようお義母さんに促され、
後ろ髪を引かれつつ入浴、出て来たら相方がグロッキー(^▽^;)
お義母さんも所在なげにあたふたされていた。
で、相方に「病院へ行こう」と話すも
「まだちゃんと定期的じゃないから」と動こうとしない。
この時点で明らかに多少の揺らぎはある物の
平均すると10分より間隔が短くなっていた。
ここでやっと相方の思考が正常でないと気付く。俺鈍過ぎ。。。
で、もう半ば無理矢理病院へ連れて行く事にする。
病院へ電話を入れて状況を説明。すぐ来るように言われる。
夜間受付用のインターホンを鳴らすように言われたので、
その場所は?行けばすぐわかるのか?と訪ねると、
「慌てないで落ち着いて。とにかく向かってください」と言われる。
別段慌ててるつもりは無く、冷静な、ごく当たり前の質問なのに、
ちゃんと答えてもらえなかったのがちょっとムカついたが、
ともかく急いで病院へ向かう事にして表に出ると、
こんな時に限って雪が降り始めていた。
当然車の窓は真っ白に凍り付いてる。
急いでバケツに風呂の湯を汲んで来てもらい解凍。
勢い余って自分も濡れたが、そんな事には構ってられない。
お義母さんに付き添ってもらい、相方をセカンドシートに横たえ、
お義父さんに「宜しく頼む」の言葉を受け病院へ出発。

午前0時半頃、病院に着いて即インターホン越しに看護士さんと話す。
荷物は後回しにしてお義母さんと相方を病院の中へ。
相方を看護士さんに託し、お義母さんを待合いに座ってもらってから、
玄関に横付けで放置してる車と、入院の為の荷物を取りに外へ。
が、この病院、22時を過ぎるとオートロックになるらしく、
知らずに外に出てしまい、何度が看護士さんの手を煩わせてしまった。
ってか、そのぐらい少しは臨機応変にならないのかと思ったけど。。。

車と荷物をかたして待合いに戻ると、ほどなく看護士さんが。
説明によると、経過は至って順調で間もなく分娩に入り、
順調だと午前1時半頃産まれるだろうとのこと。
このときおいらの時計は0時45分を指してたと思う。
説明の後、お義母さんとともに分娩室へ。
分娩室に入ると、相方のスタンバイしてる分娩台の横へ陣取る。
看護士さんの注意事項などを聞きつつ心の準備。
今日に限っていつも見てもらってる先生ではなく当直医らしく、
やや不安を感じてる所にキャイ〜ンの天野そっくりな医師が登場。
明らかに寝起きで寝癖頭のあまのっちに一抹の不安を拭えないまま、
いよいよお産が始まる。
まずは看護士さんの指示のもと、いきむのとそのサポートの練習。
そしていよいよ本番。長い戦いの始まり。
緊張高まる中、テレビでよく見るようなシーンが展開。
渾身の力で頑張る相方。
が、当然ながら一度ではうまく行くはずも無く。。。
と思ったら、医師が「あれ?出て来た!!」とボソリ。
ほどなく響き渡る元気な産声。

午前1時7分、お待ちかねのぷーちゃん誕生!!

その場の誰もが驚きの超安産(^▽^;)
産まれたてでへその緒の繋がったままの状態で、
ぷーちゃんが相方の手に渡される。
そして、「お父さん、へその緒切られます?」と医師。
「え!?」予想外の展開に慌てるおいら。
「記念になるから切ってあげてください!」と看護士さん。
そして切断箇所にあてがった状態のはさみを差し出された。
さすがに動転したおいらは思わず左手でそれを受取る。
持ち直す余裕すらないまま何とか事を成し遂げる。
さすがに手が震えてしまった。
僕の手で相方の体を離れ、一つの命となったぷーちゃん。
そのまましばし記念撮影タイム。
その後、早速お義母さんにお義父さんに報告してもらえるようお願いする。
で、相方に何か機の聞いた言葉をと思ったのだけれど、
あまりに速い展開にかける言葉も思いつかず、ただ相方の頭をなでるだけ。
やっと出て来た言葉は「ありがとう」だった。

その後、産まれたての我が子を抱いたままおいらは新生児室へ。
ぷーちゃんの身体測定と簡単な検査を見届ける。
その間、相方は産後の諸々に最後の力を振り絞る。
ぷーちゃんは、体重2470g、身長46.7cm、元気な女の子。
検査を見守りつつ写真撮りまくりなおいらw
産まれたての我が子は生っぽい、それでいて心地よい香りがした。
その後、改めてぷーちゃんと二人で相方の待つ分娩室へ。
ぷーちゃんの検査の間に二次出産等は無事終えた模様。
ほどなく医師と看護士から説明が。
もう心配は無く、点滴が終わり次第病室へ入って良いとの事。
それを聞いて、今晩は僕が付き添うので明日またお願いしますと
お義母さんに一旦帰るよう促す。すんなり受け入れてくれる。
相方とぷーちゃんにしばしお別れしてお義母さんを家まで送り届ける。

病院へ戻る道すがら、少しだけ湖岸へ寄り道。
雪の降る中、真っ暗な湖面を見つめながら一連の出来事を思い返す。
シーンと静まり返った暗闇の中、自然と涙が込み上げた。
母子ともに元気で無事だった事を心から神に感謝した。

病院に戻ると相方はまだ分娩室で点滴中。
人生最大の喜びの余韻に浸りつつ相方と話してると看護士さんが登場。
あまりに急ピッチでお産が進んだため出血量が多いらしく、
すこしでも和らげるため子宮収縮剤を投与するとのこと。
投与が始まってしばらくすると、明らかに相方の顔が辛そうになる。
薬で急激に子宮を収縮させるのでかなり痛むらしい。
暫くして医師が様子を見に来る。
そしたら何故か分娩室から追い出された。
にわかに慌ただしくなる医師と看護士。
何が何だかわからないまま分娩室の前で立ち尽くす俺。
分娩室の喧噪に混じって聞こえてくる相方の叫び声。
さらに高まる不安。もう大丈夫って言ってたのに!!

どれくらいの時間が経ったのかわからないが、
少し周囲に落ち着きが戻って来た所で医師が説明にやってくる。
医師曰く、
「産道のかなり深い位置から出血している。
 早いお産では出血量が多くなるため少し発見が遅れてしまった。
 今から麻酔をかけて縫合にかかる。時間にして30分ぐらいの予定。」
とのこと。
あんなに辛そうな叫びを聞いて、
こんなに近くに居るのに何もしてあげられない。
ほんと役にたたないなぁ。。。俺は。。。

ようやく分娩室へ入る事を許されたのは結局1時間近く経ってから。
相方の話を聞くと、あのアホ医者、当初麻酔無しで縫合しようとしたらしい。
出産中のあらゆる痛みと戦ってる最中ならまだしも、
一息ついて落ち着きを取り戻した状態で、
生身の、しかも最もデリケートな部位を麻酔無しで縫おうとした訳だ。
相方も、気を緩めた所に予想外の激痛に驚き、
あまりの激痛に我を忘れて泣き叫んでしまったそうな。
それを聞いたとき、マジで医者を呼び出してぶん殴ってやろうかと思ったよ。
が、判別の難しい傷からの出血を見つけてもらえたお陰で、
大事に至らなかったのだと聞いて、なんとか納得する。

想定外の処置が発生したせいで点滴が追加された上、
体力的にも相方に移動するだけの余力が無く、病室に戻るのが難しくなり、
そのまま分娩室で一晩明かす事に。
俺も小さいスチールイスに腰掛けたまま相方のそばに寄り添う。
なかなか減らない点滴を見つめつつ
ようやく訪れた穏やかな時間に急激に疲れを覚えた。
それで居て興奮覚めやらないせいか眠れそうにない。
相方も同じらしく、時折言葉を交わしたり微睡んだりしつつ長い夜を過ごす。

朝方、やや元気を取り戻した相方と俺の元に看護士がやってくる。
とりあえず今ぶら下がってる点滴が終われば病室に戻って良いとの事。
ところがこの点滴、減ってるのが視認出来ないぐらい落ちが遅い。
結局無事に終わって病室に入れたのは11時前。疲れた。。。
ほどなく相方の両親が来られたので、とりあえず昨日のその後を報告。
予定外の出来事もあったが今は何も問題ないと伝える。
その後、少しお願いして近くのコンビニへ。
軽く食料を購入してから自分の両親に連絡。
そこで改めて親になったことを実感し、親になれたことに感謝した。

病室に戻り暫くすると、相方の検温に看護士さん登場。
なんと透明のカーゴに乗ったぷーちゃんも一緒。
相方に異常がない事を確認してからしばらく皆で写真撮影。
ひとしきり見とれた後、夕食前に義両親が帰宅。
相方は病院食、俺はコンビニ弁当ながら二人で夕食。
食後、まだ歩くのが辛そうな相方がぷーちゃんに会いたいというので、
俺が軽く支えながら、時間をかけてゆっくりと新生児室へ。
こちらの様子に気付いた看護士さんが、
ぷーちゃんの眠るベッドの位置をよく見える所に移動してくれた。
しばし二人で我が子を見つめる。
めちゃめちゃかわいい!!二人でかわいいを連発w

こうして長い長い一日が終わった。
ありがとう、相方。
ありがとう、ぷーちゃん。
俺は本当に幸せです。

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